ビート入手4年 総括

Posted: 2024/01/11
Category: 文化

ビート入手3年 総括 - misodengakuのブログ の続き。

目次

今年整備した箇所

ブレーキ周り

2年前の車検の時点でリアブレーキの引き摺りを指摘されていたので、ちょうどいい機会ということでオーバーホールを行った。

一応リアブレーキは最近オーバーホールしたと前オーナーから聞いていたが"最近"が何年前を指すのかもわからんし、そもそも前オーナーから聞いた時点から3年とか経過していたのでもう何も信用できないといった状態。 最近ではブレーキマスターからのフルード漏れも確認できている状態だったので、一体何をどうオーバーホールしたんだ?という感じだった。

キャリパー・マスターシリンダー共にオーバーホールキットを使用して修理した。キャリパーのオーバーホールキットは制研化学工業 260-50027 / 270-50054、マスターシリンダーのオーバーホールキットはミヤコ自動車 TK-9982を使用した。社外のマスターシリンダーキットはゴムシールがピストンに組み付けられた状態になっていて自分で組み付ける必要がないのがありがたい。

ついでにブレーキピストンも新品にした。これもミヤコ自動車から社外品が出ていて、CPT-27 / CPT-54という型番で探せばモノタロウ等で容易に入手できる。 実際のところ外してみたら思いのほか状態が良かったので交換する必要はなかったが、綺麗ならストックしとけば済む話なので何も考えず交換した。 社外品だと純正の半値ぐらいで手に入れることができるので気が楽でいい。

CPT-54は割と最近発売された商品だった。ミヤコ自動車 ミヤコニュース(https://www.miyaco-brake.co.jp/miyaconews/) No.21-12より引用

結果としてはブレーキ周りが綺麗になった。体感ではわからんけども車検で確認して貰った結果として引き摺りはなかったようなのでOK。

シート

例のシマウマ柄も慣れてしまえば愛着が湧くものではあるが、それはそれとしていくらなんでも劣化が激しく座っていて安定感のなさが気になってきたのでレカロ RCSを買った。

オークションで見つけてきたレカロ純正シートレールを使用して取り付けたところ、視点は上がるしシートスライドはいまいち下がらんしでRCSとのマッチングはいまいちな感じ。

特に視点は純正シートより明らかに高く、アジャストしようにもレールとシート底面が干渉するせいで実質的に金具の一番上の穴しか使えないといった状況でどうしようもない。 シートスライドはなんかやたらと前にオフセットしている印象で、バルクヘッドとの隙間が微妙にスカスカという感じ。

幸いシートスライドを最大限下げたところで自分にはぴったりだったのと、視点は慣れたらそんなに悪くない感じだということがわかったのでとりあえずこのまま乗っている。すごい低いシートレールとか入れたらマシになるのかもしれないけど、RCSの取付情報もなんか少ないしなかなか難しそうな感じもある。

サイドが張り出してないおかげで乗り降りのしづらさは純正と変わらない程度だし、シートベルトキャッチも少し隠れるといった感じでわざわざ日産の部品を取って延長しようと思う程でもない。それでいて座った感触は明らかに良くなったので満足している。調整幅以外で問題があるとすれば値段が車体そのものとほぼ同じぐらいしたこと程度だ。

タイミングベルト交換

割といろいろ交換してきたこの車両だが、弱点として有名なタイミングベルトの交換履歴が微妙に謎 1 なのが課題として残っていた。

以下の部品を使用して交換作業を行った。 社外部品使う以外にも未使用中古のウォーターポンプを買ったりして節約に励む形となった。

部品名 メーカー 型番
タイミングベルト 三ツ星ベルト MFHC2002
テンショナーベアリング GMB GT90200
アイドルプーリー GMB GT90300
シリンダー判別センサー 純正 37841-PZ2-014
ウォーターポンプ 純正 19200-P36-000

交換を行った感想としてはどれも比較的状態がよかったが、唯一シリンダー判別センサーだけは充填されている樹脂が完全に溶け落ちていてすごいことになっていた。

シリンダー判別センサーが溶けるというのは事前に調べて認識していたが、“溶ける"というのが比喩でもなんでもなく文字通りの意味として溶けていたのには正直驚かされた。充填されている樹脂の耐熱性が低いのかな…

樹脂が溶け落ちて周囲にこびりついている。溶け落ちたことで隙間もできている

この状態でも正常に動いていたので機能的には問題ないのだろうけど、樹脂が抜けることで振動が抑えられなくなり最終的に故障するのかなあと想像している。耐熱性のある樹脂を充填し直すとかで復活しそうな気はするけど、新品の部品が出る間はそれをやる意味はないかなという感じ。

おまけ: 取り外したベルトの写真

取り外したタイミングベルトを顕微鏡で観察してみたので記念写真を置いておく。 20倍の実体顕微鏡にNikon Z6を無理矢理マウントし、ピント面を動かしながら連写した写真群をPhotoshopで合成したものなので妙なボケがある。

新品を観察していないので表面に見られるヒビがいつから存在する物なのかわからないが、思っていたより綺麗な状態だったので拍子抜けした。

側面に糸が出てるとかだと寿命間近だろうという感じがするけど、これはそうでもなかったので行けるかどうかで行けばまだ行けるんだろうなという印象を受けた。タイミングベルトが切れる話もほとんどがデスビ固着による物なのでは?という感じがするけど、切れてからだと手遅れなのでさっさと換えろというのはまあ正論だと思う。

クラッチ周り交換

タイミングベルトと同じぐらい有名な弱点がクラッチレリーズベアリングで、車両を買った当初からニュートラル時に異音がし続けているのでいい加減どうにかしたいポイントである。

クラッチ周りのベアリングというとレリーズベアリングとパイロットベアリングがあり、クラッチ繋いでる時に異音がしたらレリーズベアリングが不良、逆にクラッチ切った時に異音がすればパイロットベアリングが不良といった形で切り分けが行われる。

使用した部品は以下の通り。

部品名 メーカー 型番
クラッチカバー アイシン CH-017
クラッチディスク アイシン DH-017
クラッチレリーズベアリング 純正 22810-P37-013
パイロットベアリング NSK 6001VV
クランクシャフトオイルシール 純正 91214-PE9-004

レリーズベアリングにNSK 47TKB2903Bを使わず純正品を使っているのは純正品発注した後にNSK品があることに気づいたため。

6001VVは以下のサイトで互換する旨が記載されていたので信じて採用した。 https://www.showaauto.com/store/products/detail/14113

フライホイールを外してみたところ、オイルシールの弱りが原因と見られる汚れが見られたためクランクシャフトオイルシールも交換した。交換はオイルシールの金属環部にドリルで下穴を開けてタッピングビスをねじ込み、ネジを掴んでオイルシール本体ごと引っこ抜くスタイルで行った。

フライホイール外した図

クラッチ周りを整備した結果、クラッチペダルの動きがものすごく軽くなった。シャフトがグリスアップされたせいなのか、アイシンのプレッシャープレートの反発が弱いとかそういう話なのかはわからないがとにかく軽くなった。 激しい走りをするとかではないので滑りとかの心配はしていないけどとにかく慣れない。乗り進めていけば慣れるかと思うので気にしないようにしつつ距離を伸ばしていきたい。 あとはレリーズベアリングが静かになった。今までシャーシャー言ってる個体しか見ていなかったので静かさに若干戸惑ってしまうが、運転すると他の物がガタガタ鳴るのであんまり関係ないと言えばない。けど気分はいい。

せっかくだから軽量フライホイールを…という話もあるけど、妙なことやってバランス崩すのも嫌だし、レスポンス上がると言っても二輪のそれに比べたら大したことないよ、みたいな話も聞いたので純正のままにした。

トランスミッションのオーバーホール

開き

クラッチやるとなったらトランスミッション降ろすわけで、ちょうどスペアのトランスミッションが手元にあったこともありちゃんとした状態のトランスミッションを組んでみたい気持ちになった。 スペアのトランスミッションに新品のシンクロとベアリングを組み込み、あとついでなのでアクティのトランスミッションから取り出した5速ギアを入れた。高速道路での回転数を少し落とすのが目標。

やってみてわかったことは以下の通り。

雑に計算した限りでは5速100km/hで5000rpmだったのが4500rpmぐらいになるはず。一般道走ってる限りは5速入れることはまずないし、追い越し加速がしんどくなる問題も純正5速の時点でそもそもしんどいのであまり問題ではないだろう。

純正5速=0.941

アクティ5速=0.861

これを書いている時点で慣らし運転すら終わらせていないので仕様変更の感想はなんとも言えないが5速が今まで以上に眠たくなったのは間違いない。狙ってやったことなのでOK。

エンジンマウントの交換

トランスミッション降ろすなら…ということで合わせて交換。4箇所で計5個のブッシュを全て交換した。

外した結果としては左側サイドマウントが裂けていた以外はまだ行けそうな感じだった。柔軟性もまあまあ残っていたが表面に細かいヒビとかはできていたので、やるにはちょうどいいタイミングではあったと思う。

交換した感想としては正直変化はあまりよくわからない。走ると他の要因で無限にガタガタしまくるのでエンジンの振動とかどうでもいいわという気分になる。

シーラントで中空部を埋めた強化マウントとかもあるけどなんか…という感じなので検討しなかった。まともな状態を知らないのでまずはそっちが先かなという気持ち。

走行距離とか

1年で2500km程度だった。記事冒頭のよくわからない写真を撮った犬吠埼まで行ったのが一番の遠出で、他は細々とした移動で稼ぎ出した感じになる。過去3年間の平均が2600km/年のようなので完全にそのペースに乗っている感じ。まあかなりのブレがあるのでこの平均に何の意味があるのか言われると困るけど…


  1. 前オーナーからは"あと15000kmでタイミングベルト交換"というメモだけを渡された ↩︎