TECLAST M40 Proのダメなところ

Posted: 2022/03/14
Updated: 2022/05/10
Category: 文化

ざっくり2万円でTECLAST M40 Proを買った。開封後6時間ぐらいでいくつか気になるポイントが出てきたので悪かったポイントのみをまとめてみる。各所のレビューだと基本的に良いポイントのみが挙げられているようなので1、購入に際して他機種よりも優れているポイント等を知りたい場合はそちらを参照されたい。 逆に言うと以下で述べる以外はだいたい満足していて、特にメモリ容量とCPU性能が底上げされた2ことによる操作の快適さは値段以上の物がある。期待していたラインは余裕でクリアしているので、長期的にどうかは知らないが少なくとも執筆時点では満足できる買い物であると言っていいと思う。

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目次

想定している使い方、選定基準

ブラウザでWebだとかTwitterが一通りまともに表示できて、欲を言えばSpotifyで音楽流しながらGoogleMapでのカーナビ表示が画面分割状態でも快適にできたら嬉しい。 車での音楽再生/カーナビを目的の一つにしているので3.5mmジャック装備・LTE等WWAN対応は必須。USB-Cで充電できること。 動画のストリーミング再生とかロクにしないのでWidevineとかどうでもいい。

Xiaomi Pad 5とかのもうちょいマシそうな機種も検討したが、Wi-Fiモデルのみだとか3.5mmジャックがないとかで要件を満たさなかった。6万とか出せば完璧な機種が買えるのはわかってるが、持っても数年みたいなライフサイクルのデバイスにまとまった金出すのもバカバカしいのでおもちゃ感覚で人柱ルートを選択した。

だいぶ困るポイント

USB PD充電器では全く充電できない

Amazonのレビューに書かれていて嘘だろ~~~??と思いながらLenovoの充電器2種3で試したが本当にダメだった。速度が出ないとかそういう次元の話ではなく全く充電されない。 USB PD識者ではないので素性のいい充電器か、規格上その条件じゃ充電できねえよタコ等の詳細は把握していないが、対応していたところで18W給電とかだったらそんなに速度変わらんだろと思うことで気を紛らわしている。何言っても普段使ってる充電器で低速充電すら出来ないのは面倒な事実に変わりは無いですが…

タッチパネルの感度が悪い

画面に出荷時から貼られている保護フィルムのせいで感度悪いんかな?と思う程度に感度が悪い。普通に使う分には困らんけど軽く触った時に反応が鈍い、ブラウザで長いページをフリックで高速スクロールしようとすると空振りを感じるとかそれぐらいの感触。 特にGoogleMapの表示を2本指で回転させる動作とかを取りこぼす率が高いように思える。動作が軽快なだけに悔しいポイント。

無線系の出来が微妙

GPS4の受信性能が悪い。木造の自宅内でも全く受信出来なくなってしまうレベルで、ここ10年の携帯端末の性能が異常であることは理解しつつもLTEやWi-Fi等によるA-GPSで支援を受けてる端末としてはちょっと物足りない印象を受けた。

LTEについてはバンドの都合で受かりがいまいちな感じ。運用側の責任ではあるけれども対応バンドがしょぼい端末はしんどいことは事実。

Wi-Fiも若干感度悪い気がするが許容範囲内。それはいいがどうやら同一SSID内でのローミング処理に問題があるらしく、電波強度が4/5程度あったとしても中途半端に複数APが見えてると思われる状態では正常にハンドオーバーしてくれず接続に失敗する。同一AP群から吹いてる別SSIDにはちゃんと接続できるので何か妙な問題がある気がする。

画面が暗い

輝度を最高にしても暗いし、輝度を最低にしても思ったより輝度が下がらない。例えば他機種で調整できる輝度の範囲を0100としたら、TECLAST M40 Proでは3060ぐらいの範囲でしか調整できない。 明るい場所では暗いし、暗い場所ではちょっと目が痛くなる程度に明るい。安物の扇風機は風量を弱にしても風が強いみたいな話を思い出させる。

そんな困らないけど気になったポイント

指紋認証非対応

仕様。届いてから気づいたけど家から持ち出す頻度低いしガバガバフェイスアンロックがあれば別に困らんかなという印象。 暗い場所では困るかもしれんが、かといってMediaPad M5 liteでは画面脇に指紋リーダーあるのがだいぶ邪魔だったので今後使っていかないとなんとも言えない。

出荷時点でBluetoothのコーデックがSBCしか選べないっぽい

WI-1000X繋いでもオーディオコーデックがSBCしか選択できなかったが、開発者オプションでA2DPハードウェアオフロードを無効化したらLDACで繋がるようになった。 ハードウェア支援切っても別に音が途切れるとかなさそうなのでしばらくこれで使ってみる。

画面端の形状

2.5Dエッジx2段重ねとでも言うか、鏡餅みたいな謎の形状で画面が金属筐体から飛び出る形?になっているので触った感触がだいぶうるさい。純正ケースが明日届くが入れたらマシになるのかな?

2022/03/24追記: 事前の予想通りに純正ケースは側面の妙な段差とかみ合う形状となっていて、見た目・感触共に目立たなくなった。

2022/05/10追記: GNSSの設定

造りな雑な端末は往々にしてSoCメーカー謹製のデバッグツールが充実していたりする。Activity Launcherでいろいろ穿り返していたところ、SGPSなる面白そうなツールが入っていたのでメモとして残しておく。

このタブレットに入っているデバッグツールの充実ぶりは全体的に異常で、使用するLTEのバンドが選べる程度では済まずRF全力モードを有効化するようにしか見えない怖いボタンとかが大量に並んでいる。SGPSはそれらの怖いボタンのうちGNSS関連のテストに用いるアプリのようで、A-GPS関連の設定だとかSUPLサーバーのアドレスを書き換えられるような項目がずらっと並んでいる。

そんな中で特に興味深い設定項目として使用するGNSSの選択がある。選択肢は以下の通り。

標準では GPS+BD2+Galileo が選択されている。GPSとGalileoはともかくBD2はたぶんBeiDou B2aあたりのことを指しているはずで、BeiDou B2aはたぶん補強信号でL1が受かってないとあんまり意味がない気がする5。Galileoは欧州のGNSSで、これもまたよくわかってないけど国内で受けられた経験がないのでたぶん日本はサービスエリア外ということであんまり意味がない。つまり事実上GPS一本勝負になっているんじゃないかなという懸念がある。

変えられるんなら設定変えてみようぜという話になるわけだがどれを選ぶべきかという別の問題が出てくる。とはいえこれはGalileoとBD2を論外として考えると GPS+B1C+GLONASS の一択に絞られるはず。補強信号による高精度な測位とか特に期待してないからとにかく位置fixしてくれ路線ですね。

で、実際どう変わるかが問題なわけだがこれもSGPS内のSatellitesタブで受かってる衛星一覧が見られるのである程度比較できる。

変更前 GPS+BD2+Galileo

変更後 GPS+B1C+GLONASS

いまいちわかりづらいが概ね画面下の棒グラフが緑色になっていれば測位に採用されてる(はずだと思う)状態なので、緑の棒が多ければ多いほど受かりがいいみたいなことが言えるはず。 Galileoの代わりにGLONASSが掴めるようになった効果は絶大なようだし、GLONASSに負けて採用されてないものの赤色のマークと共に219という衛星が見えてるのでBeiDouもまともに掴めるようになったことがわかる。 あとこの画像では受信できていないが193~196が見えてるのには安心感がある。タイミングと受信状況によってはグラフが伸びていたので、SBASは諦めるにせよGPS概ね互換の範囲では対応しているのかなという印象。

GLONASSとB1C使えるようにすることで受信性能の低さは若干カバーできそう。ただ問題点として再起動すると設定が吹っ飛ぶっぽいので毎回手で設定する必要がありそう。


  1. 販売業者から評価機貰って販促記事書いてるんならまあ当然だろう ↩︎

  2. 今まで使っていたMediaPad M5 lite比 ↩︎

  3. FRU:00HM663の45W充電器とFRU:02DL156の65W充電器 ↩︎

  4. 政治的に正しい言い方をするとGNSS ↩︎

  5. https://www.enri.go.jp/~sakai/sbas.htm ↩︎