買った: Ender3

Creality 3D Ender 3 V2を買った。Proにする金でオプション揃えた方がいいみたいな話もあったので雑に純正ガラスプラットフォームも買った。
他にもいろいろ選択肢はあったけど長いものには巻かれておけということでの機種選択となった。

マニュアルを見て組み立てが済んだらテストプリントとなるわけだが、何の役にも立たないベンチマーク用の船とか立方体を刷るのは癪だったので、ネット上で見つけたおすすめ情報を参考にしつつ適当にThingiverseでパーツを探して刷りまくってみた。

以下試したものメモ

試したパーツメモ(自分で刷るやつ)

Ender 3 Lead Screw Stabilizer

小さいし形状的にも出しやすかろうということで最初に選んだパーツ。Z軸のボールネジの上端固定されてないんかいという違和感も選んだ理由の一つだが、そもそもそこまでZ軸上げることもないし現時点でメリットが感じられるかと言われるとかなり疑問。
とは言ってもXYテーブルが動いたときに無駄にブラブラ揺さぶられてて良いことは何もないと思われるし、何より出力が手軽なのでそれなりにおすすめではある。
別途M4x10のネジが2本とベアリング(608サイズ、シールは有無含めてなんでもいいと思う)が必要になるが、両方揃えても200円とかそんなもんで済むはずだからタダみたいなもんだ。

Ender 3 V2 Filament Guide

標準だとフィラメント送り部に割と無茶苦茶な角度でフィラメントが入っていく。これはいくらなんでも抵抗になるだろうということで選択。

フィラメントを引き戻したときにフィラメントガイドのスプールから外れることがあるけどそれ以外は良好。くるくると回るスプールを見ると嬉しくなるのでまあヨシ。
ただ組み付けの問題なのかフィラメントガイドから出たフィラメントがZ軸のボールネジに接触してから送りギア部へ吸い込まれていく形となっていて、どう考えてもフィラメントにグリスが付着してろくでもない事になっていそうなので、このパーツの製ではないけどあまり気分がよくない。
もっときっちり経路に制約を掛けられるこういうやつの方が良さそうな気もする(試してない)。
これも608サイズのベアリングが必要になる。どうやらスケートボードとかのベアリングがこれらしく、入手性がいいのかThingiverseではやたらこのサイズのベアリングが登場する気がするので、どうせ買うならいくつか多めに買っておくといい気がする。

Ender 3 tool holder with card reader and scraper

クソみたいな品質だけどあるとないならある方がマシ、みたいな3Dプリンタに付属している工具をまとめて本体に装着しておくためのパーツ。
出力時間とか形状の都合でそれなりにしんどいパーツではあるけど出力する価値があるパーツだと思う。

余談だが付属のスクレーパーは側面エッジのバリが大変鋭く、ちょっと力を入れて握ろうとすると指を切るので注意(一敗)。

Ender 3 Filament Guide

今回挙げたパーツの中ではぶっちぎりで要らなかった感があるが、試したのは事実なのでメモ。
Ender 3用であってEnder 3 V2用ではないみたいな話なのか、うちのスプールホルダーではガバガバだった。付くけど。
正直今のところメリットを感じられていない。Z軸を使い切るような造形物を出すときなんかには効いてくるかもしれない。

ちなみにスプールホルダーのエッジもバリがすごくて指を切るので注意(二敗)。

ベアリングを使ったスプールホルダー

フィラメントそのものについて細かくは後で触れるが、適当に買ったフィラメントのスプールの穴径がデカいせい(だけではないけど)で、Ender 3の細いスプールホルダーに入れると芯が合わないことからフィラメント送り不良が多発したので適当に自分で作った。
なんだかんだ言ってこれが一番有用なパーツだった気がする。世の中に同じ事やってる人は死ぬほどいるはずなので目新しさは何一つないけれど、せっかく作ったのでGithubに転がしておいた。

6906サイズのベアリングが2個必要になる。あとEnder 3のスプールホルダーの抜け止め用ツバを削り落とす必要がある。抜け止めのモデルを紛失してしまったのでGithubには公開してないが、何か適当に内径30mmぐらいの物体を出力して差しておけばよいでしょう。どうせ誤差でキツめになるから良い感じになるはず…
フィラメント側内径が57mmなら流用できるはず。

試したパーツメモ(買うやつ)

エクストルーダーギアにフィラメントを押しつけるやつ

購入してから2週間ぐらいの間、ガンガン出力しまくっていたら突然激しい送り不良が出て、何事かと思って見てみたところエクストルーダーギアにフィラメントを押しつけるアームが折れていた。

謎のアルミ製交換パーツを買って交換したところ回復。回復ついでに押さえのスプリングが強烈に強化されるらしく、押しつけ不足による滑り由来が原因っぽい印刷品質の劣化が全くなくなった。
特に問題が起きてなくても交換をおすすめしたいパーツ。

電源ユニットの交換(TDK-Lambda RWS600B-24)

5時間ぐらい掛かる物体を出力しようとしたら、4時間経過したあたりで突然再起動という症状を2回連続でやらかしてきて嫌になったので電源を交換した。
実際問題として原因が標準添付の謎電源(Cheng Liang P360W24Vとかいう型番)のせいかはわからないけど雰囲気で電源に35V 1000uFの電解コンデンサを繋いだら完走したので電源のせいと決めつけた。

電源ユニットをMeanwell LRS-350-24へスワップするやつが人気のカスタムとして定着しているが、TDK-Lambda RWS600B-24が中古で安かった(7000円ぐらい、別に安くないが自分を納得させることは重要)のでそっちにした。出力が倍だし国内メーカー製だ。製造はマレーシアだけどなんとなく気分が良ければなんでもOKとした。

RWS-Bシリーズ カタログ より引用

電源を買うのは良いとして別途ケーブルが必要である。AC100Vのインレットから電源ユニットへのケーブルはEnder 3に付属していたものがM3.5のY字端子なのでそのままで良いが、DC24V側の端子がM5とデカくなるのでケーブルを作り直す必要がある。
既存のケーブルを切って改造するのも良いが、オリジナルパーツは傷つけずに残しておきたい(スプールホルダーは別)ので新しく作ることにした。

M5の裸圧着端子は大同端子 R5.5-5を使用した。必要なのは2個なのに無駄に100個セットを買う羽目になったが、今調べてみたらELPAが10個セットにして売ってたのでこれを買うといいと思います。とはいえ倍出すだけで個数が10倍になるならいずれにせよ100個セットを買っていたと思う。オタクは無駄にまとめ買いしがち

プリンタ側と接続するためのAmass XT60H-Mコネクタ(オス)と、コネクタと電源ユニットを繋ぐ適当な電線も必要となる。Aliexpress日本支店ことAmazonでXT60HにAWG12の電線を組み合わせた商品が売られていたのでそれを使うこととした。

接続に必要な部品を注文しただけで取り付けられないのでは意味がない。届くまでの間に適当なケースをでっち上げる。
でっち上げ終わった頃に頼んだ部品が届いたので、RWS600B-24とプリンタへの配線だけ仮組みしてケースの出力を行う。無駄にデカいため14時間とか掛かったが何の問題もなく出力が終わった。
雰囲気で付いてりゃそれでいいやという気持ちで作った結果、出力されたケースをプリンタに取り付け、いい感じに電源を組み付ける作業が死ぬほどめんどくさかった。けどまあついたのでOK。

適当に作ったケースはGithubに転がしておいた。

結果としてはちゃんと取り付けられてちゃんと動いた。消費電力すら測っていないので意味あるかは知らんけど電源容量が倍になったとなれば余裕が出たと見てよいのではないでしょうか。
電源スワップ以降、というより雰囲気でコンデンサ装着以降謎のリセットが起きる症状は再発していない。結局何が原因だったのかはわからないが、この先動かし続けてみればきっと何かしらわかるでしょう。
総合的にはおすすめできるカスタムではあるので暇な方はいかがでしょうか。

電源ユニットの音

電源スワップが流行っている理由としてファンの静音化がある。Meanwell LRS-350-24のデータシートによれば、LRS-350-24は内部温度?が一定に達するまではファンが完全にオフになるようで、プリント中はともかくとしてプリント終了後や開始前の待ち時間では大変静かになることが期待できる。

問題は今回使用したTDK-Lambda RWS600B-24で静かになるのかどうかだが、少なくともEnder 3に接続した状態ではファンが完全にオフになることはなさそうだ。RWS 50B-600B シリーズ 取り扱い説明書では (10)RWS300B, RWS600Bに内蔵のファンは、軽負荷時(定格出力電流の約5%以下)では回転数が低下、または停止します。 となっている。
ファンがオフになることはないが、電源投入直後はそれなりの回転数、プリントを始めれば一気にファンが吹け上がるといった具合で負荷に追従して回転数が変わるのはなかなか頑張ってる感があって良い。

ファンの回転数が低くなったとことでうるさいままなら意味がない。肝心の騒音の変化については「多少音量は下がった気がする、どちらかといえば耳障りでない音質に変わった」といった評価が適切かなと思う。
ファンのスペックがどこにも書かれていないので、電源の実物が届くまでうるささ加減がわからず若干不安だったが、常識的な範囲なのでよかった。

ちなみにファンはNMB 2410SB-04W-B60-B00と思われる。データシートによれば騒音は33dBで、5m先のささやき声が聞こえる、深夜の郊外といった具合のようだが、そもそもホットエンドのファンとか駆動音がうるさいのでたとえ電源ユニットが無音になったとしてもあんまり静かにはならない。
ホットエンドのファンを交換するみたいなこともできるが、ホットエンドの冷却具合が変わってパラメータ出し直しとかはめんどくさいので諦めることにする。そこまでやっても駆動音はするし…

買ったアクセサリー類

シックネスゲージ

スキマゲージ リーフ幅 12.7mm リーフ長さ 100mm、172MB

A4コピー用紙の厚みで調整する手法が主流だが、安物でもなんでもいいからシックネスゲージ買って定量的な調整ができるようにしておいた方がいい。500円で気が楽になる。

0.08mmで調整するといい感じ。

ちゃんとしたスクレーパー

オルファ T-45(鉄の爪)

Ender 3付属品はゴミなのでちゃんとしたものを買った方がいい。600円で作業が楽になる。

フィラメント

PLA

プリンタ本体には試供品としてPLAフィラメントが5m分付いてくるが一瞬で使い切ったので、Aliexpress日本支店でPxmalionとかいう謎ブランドのPLAフィラメントを1kg買った。
このフィラメントを選択した理由は値段で、Creality純正フィラメントが欲しかったがAliexpress日本支店に在庫がなく納期1ヶ月みたいな感じになっていてじゃあAliexpressで買うわんなもんということになり、繋ぎで適当に安い奴を買ったという次第。

感想としては値段の割には悪くないかな~~~ぐらいな感じ。フィラメントの巻き方が最悪で頻繁に絡んで送り不良が出るけどそれ以外はパラメータ出てしまえば普通かなという印象がある。

ちなみにうちでの運用パラメータはホットエンド220℃ ヒートベッド40℃。ホットエンド温度を若干高めにしないと送り不良が出やすい気がするのと、ヒートベッド温度は低めにしないと糸引きが酷くて最悪な感じになる。暖まりも冷えも悪いみたいな感じなのか?

PETG

PLAでの出力も安定するようになったので、もうちょいカチッとした感じの樹脂で造形をしたくなった。
当然そうなるとABSでの出力を検討することになるわけだが、周囲の有識者からの情報によればABSはやっぱり反りだのなんだのの問題が多く、PETGの方がまだ素直でおすすめという話だったのでPETGフィラメントを買った。

SUNLU PETG 3Dフィラメント1.75mm 1KG(2.2lb)

事前に得ていた情報の通り糸引きによる造形物表面の毛羽立ちはまあまああるが、強度があってかなりいい感じ。上記写真での造形物ではかなり毛羽を取り除いてあるがまだ若干残っているのが見て取れる。
強度もあるし出力も難しくないが、毛羽立ちと紫外線に弱いらしいのが問題。毛羽立ちはヒートガンとかで炙ると溶けてなくなるが調子に乗って炙りすぎると当然造形物が歪むので注意。
層間の接着力がかなり強いようで、サポートを剥がすのにそれなりに難儀する。このあたりは強度とのトレードオフ感はあるのでまあ文句は言えない。

ホットエンド240℃ ヒートベッド80℃で安定して出ている。

フィラメント総括

雑に出力するならPLAの方が手間がないかなあという印象がある。サポートが剥がしやすいとか扱いの楽さにかけてはさすが標準添付のフィラメントとして使われてるだけのことはあるなという感じ。

PETGについては強度が要る箇所に使いたいなあという特に何の面白みもない感想。ただPETGの特徴を挙げてるサイトによればPLAとかと比較して優れているのは強度というより耐衝撃性という感じっぽそう、逆に言うとPLAが強度で特段劣っているわけではなさそうなのでやっぱり”カチッと感が欲しいとき”というのがPETGの使いどころなのかなあ、という結論になる。
耐紫外線性能の面で屋外では使いづらいみたいなことを考えると思ったより使いどころが難しい。諸々の性能がABSとPLAの間みたいな感じらしいのでPLAとの差別化がなかなかしづらいが、PLAと変わらない手間で出力できるのでメインで使うのはPETGでいいんじゃないのかという気持ちもある。積層剥がれの心配はなさそうなのでカメラのマウントアダプター自作とかにはいいかなあという気分。

ブロニカCシリーズ/S2/ECの大バヨネットからFマウントに変換するアダプターを自作したりしている。PLAで作ったので本文と矛盾してるけど…

感電した話

なんかプリンタ本体に触るとピリッとくるなと思って対地電圧を測ったらシャーシにAC100Vが出ていた(3敗)。
コンセントの極性はちゃんと管理しようね

自作したパーツへのリンク

試したパーツメモ内にインラインで記載してあるが、自分で設計したパーツは下記リポジトリにSTLファイルを突っ込んである。特に新規性のある物は作っていないが、README.mdに雑な説明が書いてあるので参考になればどうぞ。

https://github.com/misodengaku/3dprinter-parts