CBX125F メモ

Posted: 2021/01/01
Updated: 2023/07/01
Category: 文化

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目次

前提

特記なき場合本記事の内容はCBX125F前期型(FE/FH各1台ずつ)での実験結果に基づきます。

なお、本記事に記載されている情報の使用に起因して生じる結果に対して一切の責任を負いかねますのであらかじめご了承ください。

参考になるサイト

本記事の内容は多分に下記リンク先ページの情報に基づきます。姉妹車のCBX250Sのパーツ流用について実験した結果を公開されておられるサイトです。

減量に成功した不人気車 CBX250S

フロントフォーク

本項における参考ページ

流用情報 フロントフォーク - 減量に成功した不人気車 CBX250S

オイルシール

フロントフォークのインナーチューブ外径はφ30mmかφ31mmのどちらか。φ31mmなのはFP型だけで、他機種はすべてφ30mmのはず(パーツリスト5版から推測、未確認)

また、インナーチューブφ30mmの機種のうち、アウターチューブ内径がφ40.5mmのものとφ42mmのもので2種類存在する。 具体的にはFE型/FH型初期(1101472号機まで)がφ40.5mm、FH型後期とFN型はφ42mmの模様。

アウターチューブ内径が異なるため、一口にφ30mmのフロントフォークと言っても使用できるオイルシールが異なる。 パーツリスト5版によれば、適合するオイルシールセットの部品番号がFE型/FH型初期では 51490-KK6-305 、それ以降では 51490-GS9-305 となっている。 KK6型番の物は当然CBX125F専用パーツであるが、GS9型番の物についてはNSR50等でも使用されているφ42mm品である。 51490-KK6-305は新品が手に入らないが、参考ページによればヤマハ純正部品 4VP-F3145-00 で代替可能である。

大抵のオイルシールには本体に寸法の刻印がある。51490-GS9-305の互換品であるNTB FOH-06Sを観察してみると DC4 30 42 11 と刻印があり、DC4型(オイルシールの構造)で内径30mm、外径42mm、厚さ11mmの品であることが読み取れる。

51490-GS9-305互換品(NTB FOH-06S)

同様に51490-KK6-305互換品のヤマハ 4VP-F3145-00を観察してみる。 30 40.5 と刻印があるので内径30mm、外径40.5mm品であることがわかる。

51490-KK6-305互換品(ヤマハ 4VP-F3145-00)

Webike等の通販サイトでNTB FOH-06Sの適合車種としてCBX125が記載されている場合があるが、上記の通り車体号機によっては適合しない場合があるため注意が必要。部品は良く確認してから買いましょう(1敗)

ダストブーツ

参考ページの情報によりオイルシール問題は完全に解決したが、ダストブーツは中華メーカー品での代替で対応されていた。AHL DS-30という型番のようで、実際CBX125Fに装着してみたところ問題なく装着することができたが、参考ページ中でも触れられている通り供給の安定性が不安である。 そこで、CBX125Fと同様にフロントフォークのオイルシールとしてヤマハ 4VP-F3145-00が流用できる車種を探し、その車種のダストブーツが流用できないか検討したところスズキ純正部品の 51173-16F00 が流用できそうなことがわかった。

左がスズキ 51173-16F00、右は純正かわからないが車体に装着されていたダストシール

左がスズキ 51173-16F00。高さなど若干異なる点はあるが概ね似たような形状をしている

実際にスズキ 51173-16F00を装着してみたところ、特に何も問題なく組み込むことができた。インナーチューブ径は間違いなく合っているはずなので密閉度は問題ないし、アウターチューブとの嵌合も無理矢理押し込む必要があるとか、すぐ抜けてしまうというようなこともなく適当な具合で装着できているように見える。

アウターチューブとの嵌合部の径が合ってるかは若干不明だが、もとよりアウターチューブ部の密閉は期待されていない構造であるように見えるので、これで問題ないかなと思っている。

スズキ 51173-16F00を車体に装着したところ。

AHL製ダストブーツもきちんと装着できるので問題ないが、スズキ 51173-16F00であればモノタロウで頼めば数日で届くし、値段もあまり変わらないので良い物を見つけることができたかなという感じ。

オイルシールクリップ

パーツリスト5版によれば、オイルシールクリップ(オイルシールストッパーリング)の部品番号は 90601-KK6-006(FE/FH初期)、90601-GF5-731(FH後期/FN)、90601-354-000(FP)のうちどれかということになっている。 FE型/FH初期型のパーツを探しているため本来適切なものはKK6型番の物であるが、KK6型番であることからわかる通り当然廃番となっている。GF5型番のものはNSR50等で使われているようでいくらでも購入可能、354型番のものはエイプあたりで使用されているらしくこちらも普通に調達可能である。 参考ページではNSR用クリップが使えるのではないかという整理になっていたが、オイルシールの項目で触れたとおりNSR50はアウターチューブ内径がφ42mmでFE型/FH型初期のそれよりも1.5mmほど径が大きい。ということはオイルシールクリップの径も若干大きいはずである。 ただインナーチューブ径はφ30mmで共通ということで、インナーチューブに擦れさえしなければ大丈夫だろという考えでダメ元調達を行った。他にアテもないので…

90601-GF5-731

届いてすぐに威勢良く90601-GF5-731の採寸を行ったはいいものの、肝心のオリジナルパーツが完全に腐食していて折れてしまったため参考になる数字がない。 というわけでとりあえず装着してみたところ上手いこと嵌まりはして擦れてもいなそうなので90601-GF5-731で様子を見ている。

急に雑な結論になってしまったがとりあえずNSR50用のクリップはなんとなく使えそう…っぽいことがわかった。

ボトムのソケットボルト

ヤマハ 3D8-23181-00 が使えた

フロントフォークボルト(インナーチューブ上端に締め込まれてるアレ) & キャップ

FE 1101472号機までは 90123-KK6-006 、 FE 1101473号機以降とFH、FNは 51455-KK6-702 、FPは 94605-27101 。 FP用 94605-27101 はCB400FOURとかで使われてたっぽいので楽勝で手に入るが、問題はそれ以外のKK6型番のもの。 六角穴付きボルトなおかげで屋外保管されていた個体についてはほぼ間違いなく穴に水が溜まり腐食が進んでおり、交換しようにも当然純正品は廃番、φ30とかいう妙なインナーチューブ径のおかげで流用できそうなフォークボルトがなかなか見つからない…とどうしようもない部品の一つとなっている。

90123-KK6-006と思われるボルト。六角穴と呼んでいいのか疑問になるような状態の物が多い気がする

ボルト代替品

しかし、冷静に考えてみるとφ30インナーチューブ用のオイルシールとしてヤマハ 4VP-F3145-00が見出されているわけで、このオイルシールを使う機種のうちフォーク上端がCBX125Fと同じような構造になっているもの(=スクーターや謎のクリップで留められてるやつはNG)のボルトであれば流用できる可能性が高いように思われる。 この考えの元調べたところ、どうやらYBR125が4VP-F3145-00を使っており、フォーク上端の構造も似ているので都合が良い。

というわけでYBR125のフロントフォークボルト 5VL-F3111-20を発注した。2021年9月にWebikeにて発注した際の価格は1個税込209円。 届いた5VL-F3111-20と、おそらく90123-KK6-006と思われる腐ったボルトを並べて比較した図がこちら。

左: 90123-KK6-006、右: 5VL-F3111-20

頭部分の外径(90123-KK6-006は26.85mm、5VL-F3111-20記録忘れ)とOリング溝部径(90123-KK6-006は20.85mm、5VL-F3111-20記録忘れ)はほぼ同じで、ネジ部の外径を測ると両者とも24.8mmで一致、画像で見てもわかるとおりネジピッチや縦方向の寸法もだいたい同じなのでほぼ問題ないだろうと考えられる。六角穴の二面幅も14mmで同一なので工具も共通でOK。 強いて言えばネジ山が上下で1段ずつ少ないのが気になるが、その違いよりも六角穴内部が腐食してる方が怖いので良しとする。

なおOリングは含まれていないので別途調達が必要。YBR125では146-23114-00-00が指定されているようだが、1個800円とかして癪なので調達していない。組まれていたOリングを外して再装着で誤魔化してしまった…

キャップ代替品

ボルトの六角穴に押し込む形で固定するゴムキャップ(51417-KK6-006, 51449-KK6-702)も廃番で手に入らない。なくても機能的には問題ないとはいえ、また水が溜まってしまうような事態は避けたいところである。 幸いYBR125にも同じ機能の部品が存在するのでそれが流用できる。型番は5VL-F3154-00で、2021年9月にWebikeにて発注した際の価格は1個税込99円。 安くて結構だが、不安な要素として本項執筆時点(2021/10/05)で"メーカー在庫残りわずか"との表示がされている。昨今の各種原料不足の中で在庫がいつ復活するかは不明。

ボルト&キャップ 装着

数値上問題なさそうでも組んでみてダメなら意味がない、ということで実車に組んでみた図です。

5VL-F3111-20(ボルト)の収まり具合は完璧に思える。走ってるうちにネジが油圧その他に負ける形でボルト射出→フロントサスの機能喪失→転んで轢かれて死亡、とならない保証はないのでおすすめはできないし大丈夫だろうと言えるほどの運用実績も積んではいないが、ちゃんとしたメーカーのちゃんとした部品を他社車両の同じ部位に投入しているわけなので無謀な賭けの中では割のいい方ではないかなと思われる。

5VL-F3154-00(キャップ)は固定部の構造上かなり頑張って押し込まないと装着できない(大きめの円形軸を六角穴に押し込むイメージ)ので大変だが、組んだときの収まり具合もバッチリで完璧。

5VL-F3111-20を装着した図

ブレまくって最低だけど5VL-F3154-00を装着した図

インテークマニホールド

インテークマニホールドインシュレーター

CBX125F/Cのアキレス腱として有名なインテークマニホールドインシュレーター。例によって自分のもダメになっており、いろいろやった結果自分でインマニを作った。

Fusion360で設計して

3Dプリンタで試してみて

できた

作ってヤフオクで売ってる人とかいるのは把握してるが、それ買うのもつまらんので自分で設計して中華CNCに丸投げすることで製作した。中華CNCでどこまでできるのか不安だったが割とまともなものができたし値段も手頃だったのでやってみて正解だったと思う。気が向いたらこの辺の話も書く。

パッキン

インマニと並んでダメになっているであろうパーツがインマニとエンジンを繋ぐところのOリング (キャブレターインシュレーターOリング 16219-KK6-000 )で、Oリングと言いながら電話の受話器マークみたいなふざけた形状をした特別仕様となっていて当然ながらこれも廃番パーツである。 インマニは金属で作れてもゴム製品はどうしようもない。ということで一般的な円形Oリングで特性が近そうなものを探して無理矢理純正インマニの溝に押し込んで使うしか残された道はない。

OリングはNOK 4DG75(内径74.4mm、外径80.6mm、線径3.1mm、FKM70)を使用した。 一般的な円形Oリングなので当然そのままでは入らないが、幸い純正インマニにはOリングを保持するためか溝の幅が狭くなっている箇所があり、丁寧に押し込んでいけば下図のようにぴったり収めることができる。

自作したインマニにOリングを嵌めてみた図

候補品を探すに当たって問題となるのが大きさの選定だが、純正インマニのOリング取り付け部溝を適当な紐でトレースして長さを測定し、同等の周長を持つ円に近い内径のものを選択した。