サンヨーテクニカ ST-7MをCB50Sに付ける

Posted: 2020/08/20
Updated: 2022/04/06
Categories: メモ 文化

ポイント点火の車両をトランジスタ点火にするためのパーツであるサンヨーテクニカ ICイグナイター ST-7M(以下ST-7M)をホンダのバカ原付 CB50Sに装着するためにいろいろやったことについてのメモ。

更新履歴

目次

注意

自分用のメモなので以下の内容は決して真似しないでください

配線

ST-7M本体に配線図が描いてあるが、何に繋ぐのかは書いてあるけれどどの線を繋いだら良いのかが謎の大変残念な図でしかなく、説明書がなく現物しか手元にない自分のような状態ではどうにもできない。

幸いインターネット上に説明書を撮った写真がアップロードされていたのでそれを参考にして繋いだが、そんなもんしばらくしたら消滅するに決まっているので説明書を参考に配線図を雑に起こした。 ホンダ基準の配線色の雰囲気で繋いでたら死んでたレベルで色が別だった。これどこかの会社だとこういう色分けになってるのか?

2022/04/06追記 下図は古いバージョンのもので点火不良を起こす可能性がある。記事末尾の追記事項を参照すること

(雰囲気で描いたので250コネクターのみコンタクトのオスメスではなくハウジングの見た目でなんとなくオスメスっぽく描かれていることに注意)

図中の写真で示したコネクターはエンジンのACジェネレーターから出ているケーブルのそれ(とその対向)で、ジェネレーター内のポイントで作られたパルスがイグニッションコイルに送られて点火される。というわけでポイント点火をトランジスタ点火に換えるためには、ここのコネクターにトランジスタ点火回路の配線を割り込ませてやることになる。

2022/04/06追記 打ち消し線が掛かっている箇所の記述については問題があり、この配線でしばらく乗ると点火不良を起こす可能性がある。詳細は追記分を参照。

既存のコネクターをぶった切ってギボシを付けても良いけど戻せなくなるので論外。適合するコネクターを見つけてきて割り込みハーネスを作る。 ここのコネクターはいわゆる250型の端子を持った4極カプラーで、その中でも逆ロック仕様(オス側にロック端子が付いている)のものになる。 キタコあたりが売ってるコネクターセットでもいいけど、住友電装純正品で端子圧着済みケーブルも買えるということでユニークシステムの通販サイトでハウジングと圧着済みケーブル、ついでにJSTのまともそうなギボシを買った。 せっかく250型端子はきちんと圧着されてるのに反対側が謎工具で無理矢理圧着したギボシなので台無し感もあるが、ハンダで繋ぐのも切れそうで嫌だしな…ということで割り込みハーネス内ではあるけどギボシで繋ぐことにした。

住友電装 250型 逆ロック 非防水 ツバなし 4極 カプラー・端子セット https://www.uniquesystem.jp/product/3830

住友電装 250型 逆ロック用 オス端子圧着済み電線×1本 (L寸=250mm) https://www.uniquesystem.jp/product/6707

住友電装 250型 逆ロック用 メス端子圧着済み電線×1本 (L寸=250mm) https://www.uniquesystem.jp/product/6707

JST 日本圧着端子製造 ギボシ端子 φ5 100個セット https://www.uniquesystem.jp/product/4882

ハウジングのどこにどの配線繋いだらいいかは写真撮り忘れたのでそのうち撮って追記する。

あとIG電源は適当にウィンカーリレーから分岐させて取った。

本体の固定

ハーネスを作って接続し、エンジンが回ったはいいけどST-7M本体を固定する場所がどこにもない。 よくよく探したらステアリングステム下にネジが切ってある穴があり、その下の空間に装着すればクリアランスもギリギリ大丈夫そうということで取り付け用のブラケットを作った。 ハンドルの切れやフロントフォークにも干渉しないし、フロントが沈みきってもフロントフェンダー突き破ったりはしないはず… 良い気分ではないけど他に留める場所がないのでやむを得ない。 雨降ったら水丸かぶりな場所ではあるけど雨の日に骨董品を走らせるわけにはいかないのでとりあえず無視。

STEPファイルを転がしておくので、おすすめはしないがmeviyあたりにこれを投げ込んで注文すれば同じ物が作れる。SPCCで作ったので適当に表面は塗装した。

https://gist.github.com/misodengaku/911dd20ca7b7de475aca57053f67b260

ハーネスの遊びだけ注意して配線し、M6x10mmぐらいの皿ネジでブラケットを車体に固定(ネジロック推奨)、ST-7M本体はM10x14mmぐらいのボルトでブラケットに固定した。 ST-7M本体を固定するボルトもネジロック掛けたいけど手元に普通のロックタイトしかなく、本体がプラで出来てる故死にそうなのでネジロックしてない。 というかそもそもブラケットに固定するための耳がプラなので緩んで落ちるか耳が割れるかの二択であり、ネジは緩んで落ちる前提でST-7M本体-ブラケット-ステアリングステムをワイヤリングし、とりあえず落ちても即事故ることはないだろうぐらいを目指した方がよさそう。 ブラケットにはワイヤリング等を想定して良い感じの位置にφ4mmで穴が開けてあるのでその辺を活用すること。ただ4mmだと細すぎて結束バンドの類が通らないのでもっと太くするなり長穴にするなりしたらよかった。

2022/04/06追記: 点火不良について

本項初版で示した配線図の通り接続した状態でしばらく使っていたところ、点火系の問題が出るようになった。 ICイグナイターなんて骨董品を扱っている以上物がダメになるのもあり得ることだろう、と思っていたが切り分けていくうちにメインスイッチが怪しいということがわかった。 幸い接点復活剤をキーシリンダーに吹いて何度かオンオフを繰り返したところ復活したがこれはよくない。

ICイグナイターは骨董品だが、メインスイッチ自体も同様かそれ以上の骨董品である。全てのパーツが怪しいとはいえ非純正パーツのICイグナイターが何かスイッチに悪影響を及ぼした可能性は十分にあるのではないか?という考えに至った。ICイグナイターがどのような仕様でどんな回路なのか定かでないため確実に悪いとは言えないが、純正で想定している以上の定格の電圧/電流がメインスイッチに印加される可能性は十分考えられるのではないかと思われる。

また電圧/電流がどうとか以前の問題として、イグニッションコイルがギボシ接続となっていることを考えれば謎ハーネスとか作る必要は全くなくて、ここにICイグナイターを割り込ませてしまえば済むのでは?ということにも気がついた。本体に記載されている TO-POINT TO-IGN.SW の表記を律儀に守った結果謎ハーネスを用いて割り込みを掛ける仕様としたが、メインスイッチが点火信号をボディアースに逃がしてエンジンを止める役目さえ失わない形であればイグナイターがメインスイッチの前後どちらに配線されていても役目としては変わらんだろうという考えだ。

つまり車体とエンジン間のハーネスには何も割り込ませず純正のまま配線し、メインスイッチから出た黒/白配線をICイグナイターの黄色線と接続、ICイグナイターから出てきた灰色線をイグニッションコイルに向かう黒/白配線に繋げばよいということになる。 ギボシのオスメス変換等も必要なく、純正そのままでメインスイッチとイグニッションコイル間を繋げるはずなので、大がかりな作業として必要になるのは適当な場所からIG電源とボディアースの確保だけになり、自作ハーネスに起因する不確実性も最低限に抑えることが出来る。

イグニッションコイル前配線に変更した後あんまり距離乗っていないが、スイッチに流れる信号は純正同等に戻っているはずだし、前述の通り謎ハーネスも排除されているので初版時点での配線に比べて良くなることはあっても悪くなることはないんじゃないかなあと思っている。根拠はないです。

なんかいろいろ書いてますが結論としては俺はバカ